こんにちは!株式会社Cosmowayが組織するデジタルプロダクション「factory4」のUIUXデザイナー新谷です。今回は、3月にアップデートされたApple「iOS15.4」の新機能やUIUXデザインにフォーカスします。
マスク着用のままFace IDでロック解除可能になるということで、アップデート前から話題となっていました。しかしそれ以外の機能で見過ごすことのできない興味深い機能がリリースされています。それは今後のUXやクリエイティブ、ビジネスに大きく変革をもたらす可能性がありそうな「Tap to Pay on iPhone」考察してみました。
目次
まずは「iOS15.4」注目の新機能はこれ
アップデートにより、おもに追加・変更された機能は次のようになります。冒頭でも少し触れましたが、マスク着用したままでのFace IDの使用は、多くのユーザーが待ち望んだ機能ではないでしょうか。
マスク着用時でもFace IDが使えるオプションを追加
ユニバーサルコントロール
新しい絵文字を多数追加
オフラインの間もSiriが日付と時刻の情報を応答可能
iPad回転時に、音量ボタンの位置が状況に応じて自動で入れ替え
SharePlay対応アプリの共有画面にSharePlayボタンを追加
iPhoneやiPadを非接触型決済端末にするTap to Pay
※国内では未リリースの機能もあります。
マスク着用でのFace IDで顔認証を実際に使ってみた
「iOS15.4」ではマスクを着けていてもFace IDが使える「Use Face ID With a Mask」オプションが追加されています。
今でもマスク着用中は、Apple Watchを着けていればiPhoneのロック解除はできますが、新機能ではiPhoneのロック解除だけではなく、Apple Payの支払いもマスク着用のままでOKになりました。以下の記事でやり方や検証含め詳しく考察していますのでご覧になってみてください。
iPhoneを非接触型決済端末にする「Tap to Pay on iPhone」
新機能の目玉だった「マスク着用時にFace IDを使用」に負けず劣らず、UXをいや今後のビジネスにも大きく可能性と影響を与えそうな機能がリリースされたので紹介します。
※2022年05月11日現在は日本で未リリースです!なぜ!!
その新機能は「Tap to Pay on iPhone」。これはまだ日本ではリリースされておらず、アメリカから順次対応されていくようです。機能としては日本での対応が待ち望まれる機能であることは間違いないと思います。それではみていきましょう。
「Tap to Pay on iPhone 」はiPhoneをタップするだけで、Apple Pay、非接触型クレジットカードやデビットカード、そのほかのデジタルウォレットをシームレスかつ安全に利用できるようになる機能です。American Express、Discover、Mastercard、Visaなどの主要な決済ネットワークの非接触型クレジットカードおよびデビットカードに対応しています。
Tap to Payが利用可能になると、iPhone XS以降のデバイスで対応するiOSアプリを通じて、非接触型決済ができるようになります。会計時にApple Pay、非接触型クレジットカードやデビットカード、そのほかのデジタルウォレットで支払うためにiPhoneまたはApple Watchを受け取り側のiPhoneに近づけるだけで、NFC技術を使って安全に支払いが完了します。これには追加のハードウェアは必要ないため、事業者はビジネスの場所を問わず決済を受け入れることができるようになります。
決済データはApple Payと同じ技術で保護され、プライバシーと安全性が確保されます。Tap to Pay on iPhoneを使った取引はすべてセキュアエレメントを使って暗号化され処理され、Apple Payと同様に、Appleは何が購入され、誰が購入したかを知ることはありません。
「Tap to Pay on iPhone」のメリット
電子決済がさらに広がり現金要らず
Appleのプライバシー設計・開発によりセキュリティが高い
野外など活用場所が広がりバッテリーで稼働もできる
導入のハードルやコストが下がる
受ける側として中小事業所や個人での利用が容易になる
以上のメリットをみても、とても魅力的であることがわかります。支払う側はもちろんですが、とくに海外に比べてもiPhoneユーザーの多い日本では、受ける側のサービスとして「Tap to Pay on iPhone」はビジネスに大きく影響を与える機能だと思います。
決済プラットフォーム「Tap To Pay on iPhone」がもたらすもの
出典:Apple Pay – Apple サポート 公式サイト
「Tap To Pay on iPhone」は、国内では「PayPay」または「Square」などが競合として挙げられるのではないでしょうか。私もPayPayやSuicaをよく利用しています。PayPayでいうと、受け側は決済端末の導入をせず(端末を選ぶことも可能です)、二次元コードを設置するだけでサービスを開始することができ、導入もスムーズに行えます。
しかし、通信障害の影響やカメラのないApple Watch、カード型を使用できないという点があったり、Squareのプリンター付きターミナルでは、端末の導入が必要となりますが、レシートなど紙を出力することもできます。
それぞれ違った特徴のある中で、今後この両者やほかのサービス、プラットフォーム、決済利用手数料などがどのように展開していくかとても気になるところです。
国内でのTap to Pay on iPhoneのリリースはまだですが、ひとつの追加される機能がUXの向上とともに、経済や新たなビジネスの展開にも影響を与えるポテンシャルを秘めています。個人事業主から大規模小売店まで、あらゆる規模の企業が非接触型決済をシームレスに受け入れ、ビジネスの継続的成長がこれまで以上に容易になるでしょう。
とくに個人で決済サービスを利用する場合にはコストを抑え場所を選ばず、手軽にかつスムーズに導入できることはとてもメリットが大きく、ビジネスの幅を広げることにつながるはずです。
まとめ
今回はiOS15.4の新機能「Tap To Pay on iPhone」にフォーカスしました。マスク着用でのFace IDでの顔認証や、ユニバーサルコントロールなどさまざまな機能がアップデートされる中でTap To Payは日本未リリースではありますが、とても可能性の感じる機能です。
ネットファーストの小売業者の販売員であれ、個人事業主であれ、ポケットの中にある「iPhone」というデバイスで、すぐに非接触型決済を利用できるようになる「Tap to Pay on iPhone」はスムーズかつ安全な決済サービスを提供することで、対面での商取引体験を飛躍的に向上させることができます。
昨今SNSなどを通じ、個で価値を発信したり、なにかモノを販売することができるなど、今のユースケースにもうまく合致していくプラットフォームだと感じます。また山奥など場所を問わず、モバイルがあれば簡単に決済できてしまうのはとてもおもしろいですね。日本でのリリースを切に願います。
次回以降は、時代やテクノロジーとともに進化している、バズワードでもある「Metaverse(メタバース)」や、スマートフォンのカメラにフォーカスしたUIUXデザインについてお話ししていきたいと思います。5月11日にはGoogleの開発者向けイベント「Google I/O 22」も開催されますし、マテリアルユーの展開をはじめ、気になる領域を今後もどんどん掘り下げていきたいと考えています。
以上、新谷でした。ありがとうございました!!
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CreatorZine
今回の記事はウェブマガジン「CreatorZine(クリエイタージン)」さんに寄稿させていただいた記事の追記、更新版となります。企業で働くクリエイターをサポートするウェブマガジンです。こちらもどうぞご覧ください。
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