10月10日、山梨県産業技術センターさまと共同研究中のIoT自然災害観測装置の実地検証に同行しました。
昨今、日本各地における非常に強い台風や地震による土砂災害の実態を多く目にするようになっています。この日も、週末には強い台風が日本列島に近づいているという状況の中での設置となりました。
このIoT自然災害観測装置を設置することにより、危険な地帯で人がたえず監視・観測を行うというのが現実的ではなかった場所においてもデータの取得が可能となります。弊社では、装置内のスマートフォン「Cat S60/S61」に搭載した各種センサー・カメラ、また「μPRISM(マイクロプリズム)」という小指の爪より小さなスマートセンサーを使用し、データを取得するためのアプリの開発を行い、この研究にご協力させて頂いています。
これまでにも既に各地で実地検証を重ねていますが、今回は静岡県伊豆市の山中にて2つの装置を設置をすることになりました。土砂災害の予兆や状況・状態の観測を目的に、国からの認可を得たうえで土砂災害危険箇所への立ち入りをしています。
土砂崩れ・地滑りなどの危険が常に伴う地域となりますので、ヘルメットを着用した上、森林の中道なき斜面を登り観測地点まで向かいます。到着後、弊社スタッフも山梨県産業技術センターさま及び協力企業さまと共に装置設置の確認、写真撮影などを行いました。
回収までの間、設置した場所の写真や、センサー類からの情報(赤外線カメラによる画像、移動距離、加速度、傾き 等)が観測されます。この装置は、太陽光発電パネルモジュールを携え、スマートフォンに電源を供給できるように、またバルーン状で土砂崩れや雪崩などの災害に巻き込まれた際も埋もれづらく、さらに電波のないところでも探索、回収ができるような仕組みになっています。その為、雪崩災害/土砂災害どちらの分野においても研究がすすめられています。
インターネットとモノを繋ぐ技術=IoT(Internet of Things)という言葉も、最近耳にすることが増えてきました。
今回のようにモノからのデータを取得する用途におけるIoTの活用で、災害の予測・実態のデータを得られるようになることは、今後の災害の予兆やメカニズム解明の研究おいて大きな可能性を持つのではないでしょうか。今後、災害の被害を最小限に抑えられるようにしていくためにも大変重要であり、いち早く進めていく必要のある研究だと考えています。国内でも総務省をはじめ、各自治体へのICT/IoTの本格的な実用化に向けて利活用の促進がすすめられています。
今年3月に行われた群馬県草津町での雪崩災害観測の実証実験に引き続き、今後も雪崩災害に対する実地検証がドローンによる投下試験とあわせて計画されています。次回時期は年末年始、場所は同じく草津での予定です。
弊社におきましては、災害の予測・観測における課題に対し社会貢献できるよう、引き続き実用化に向けた研究・開発協力に尽力していきたいと考えています。